【奈良おでかけ】11月徳川ゆかりの尼寺・興福院の令和特別拝観
*年末に11月の話で申し訳ないのですが、貴重な機会でしたので記しておきたいと思います。*
法蓮山興福院(こんぶいん)は普段は要予約での拝観のみで、20年ぶりの一般公開とのことで行ってきました。
このお寺は佐保丘陵の南麓にありますが、創建当初は平城京「菅原伏見の里」にあったといいます。中世や安土桃山時代とたびたび衰退するも、その当時の尼僧によって復興されました。現在の地には寛文5年(1665)四代将軍家綱が山林と参道を寄進されたことを機に移転しました。
車道から離れた場所にある、ひっそりと佇むお寺。大門をくぐった瞬間から苔むした石段の道、紅葉がお出迎え。小さなお寺ながら室礼、襖絵など細かい所を見ると随所に格式の高さを感じます。 徳川家関連の寺宝もこれまで守ってこられた矜持を示すものでしょう。それらが総合して凛とした風情を演出しているように見えました。
↑ホテルリガーレ春日野の脇道を進む・・・
↑案内板がありました
↑葵の御紋が!!
↑紅葉がきれいでした。奥に見えるのは本堂です。
小高い丘の麓にあるので、本堂からの眺めが良かったです。
ひっそりとあるお寺ですが、庭は小堀遠州作で感心していたら、本堂、客殿、大門も遠州のプロデュースと知り驚きました。徳川歴代将軍を祭る御霊屋があり、本道のご本尊・阿弥陀三尊は天平時代のもの、天蓋などの飾りが豪華で徳川の威光を感じました。そして、脇侍が半跏踏下(あぐらの片足を蓮華座から下ろしている)をとっていたのは珍しく思いました。
拝観の記念品として、徳川家ゆかりの江戸掛袱紗のクリアファイルをいただきました。こういう寺宝にまつわる品をいただけるのはうれしいです。
そういった華やかな品があるのは尼寺ならでは。客殿にも打掛(本堂のご本尊のお供え等を置く台にかける布)が展示してあったのですが、とても凝った刺繍や染めが施されていて、着物として着れそうなくらいでした。
今回はめったにない機会ですので、御朱印をいただきました。
悔やまれるのは散華があるか聞き忘れたこと・・・
これは2019年の最大の後悔です。お許しくださいませ・・・
今回は貴重な機会を得ることができ、感激しました。
奈良でも、(表現が難しいのですが)踏み荒らされていない、雰囲気のあるお寺はとても貴重です。
もし次回特別拝観があるときはぜひ足を運んでみてください。