美術散華保存会&散華美術館 スタッフブログ

散華の情報、当会の活動、運営している散華美術館、奈良のこと等つづっていきます。

【展覧会】奈良国立博物館「聖徳太子と法隆寺」展と金峯山寺の金剛力士像

ご無沙汰しております。美術散華保存会です。

関西の周りの府県は緊急事態宣言下ということで、当会もひっそりと営業しております。

 

 

さて、久し振りに奈良国立博物館の特別展に行ってきました。


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聖徳太子法隆寺」展と聖徳太子1400年御遠忌を記念し、法隆寺の寺宝、普段は東京国立博物館で展示されているもの、そして聖徳太子にまつわる像など盛り沢山の内容で開催されています。(会期6/20(日)まで)

 

 

その中で、美術散華保存会的「絶対に見ておいてほしい!!」展示は、

191「金堂内陣旧壁画(第十八号)飛天図」

 

これは火災で焼失してしまった金堂の壁画の中で唯一焼けずに残った作品です。

(当時、堂内から持ち出されていて焼失を免れたとか)

大陸の雰囲気を残す、衣がたなびく優美な飛天、これは当会で開いている写仏教室でも練習していただく作品なのでとても思い入れがあります。

展示会場では照明の関係で全ての線がはっきり見える状態ではないのですが、飛鳥時代から残る壁画だと思うと胸が熱くなります。

 

 

あと個人的に好きなのは、聖徳太子の二歳像、孝養像(16歳)です。

 

二歳像は二歳にして「南無仏」と唱えた逸話を表現していて、上半身裸のまだむちっとした幼児体型の太子が真剣な表情で手を合わせています。可愛らしい姿です。

 

孝養像(16歳)は、父・用明天皇の病気平癒を祈願している姿といわれています。みずらを結い、柄がついた香炉を持っています。こちらは美少年といった感じでしょうか。

 

この他、ちゃんと成人した姿も展示の中にありました。仏像と同じように、脇侍にあたる像もあります。さまざまな逸話とともに聖徳太子が信仰の対象として広がっていっていたことを感じました。

 

 

余談です。

明日香村の橘寺も聖徳太子ゆかりのお寺ですが、こちらにも二歳像が祀られています。この展示の二歳像より可愛い感じですので、お参りに行かれては?

橘寺さんの散華は聖徳太子の二歳像、成人像を絵柄に採用していますので、そちらもぜひ♪

散華めぐり 〜橘寺〜 | 奈良観光・寺社めぐり・おみやげ

 

 

今回はなら仏像館に金峯山寺仁王門の金剛力士像が保存修復を終えて展示されているとのことで、見に行ってきました。

 

恥ずかしながら、金峯山寺さんにお参りに行って、仁王門を通った記憶がなく…当然、力士像の印象も全くありませんでした。

展示室の天井に届きそうなくらいの大きさでド迫力!動き出したら踏みつぶされそうです。南都仏師康成による仏像だそうです。写真撮影もOKだったので取らせていただきました。


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www.narahaku.go.jp

 

特別展は会期終了間近です!

ボリュームたっぷりの展示ですので、時間に余裕をもって行かれるのがいいと思います!前日予約が確実ですよ!

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