美術散華保存会&散華美術館 スタッフブログ

散華の情報、当会の活動、運営している散華美術館、奈良のこと等つづっていきます。

【展覧会巡り】第67回正倉院展

今年も正倉院展に行ってきました!
今日でちょうど折り返し地点ですね。
毎年のことですが、「日曜美術館」で紹介されるとさらにお客さんが増えて、
(ちょうど明日9時からNHK教育で特集します)
自分としては困るので(笑)、早めに行ってきました
 
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今年の目玉は、某ブランドのような模様の琵琶ですが、
木画という技法で模様が細工され、美しかったです。
某ブランドの模様も、日本の着物の小紋から受容したともいわれていますし、
そのずっと前の天平時代には大陸からこの琵琶の文様も来ているだろうし、
まわりまわって目の前にあるということがちょっと不思議な感じでした。
 
時空を飛び越えて、目の前にあるということが正倉院展の魅力の一つです!
 
このような技巧をこらした美品が目立ちますが、
正倉院の本当の価値は「何気ない、本当だったら残ってないかもしれないもの」が
紛れ込んでいるということです。
 
書類の巻物で、裏紙として漢詩を書き写したものが展示されていたのですが、
なんかぐちゃぐちゃと墨で塗りつぶしてあるし、書き写した漢詩も練習が気のようで汚い・・・
「これ、書いた本人は絶対残すつもりはなかったよなw」と、思わずニヤリ
 
古文書系はそういうニヤリの宝庫だと思うのですが、
なかなか人が多い中じっくり読めなくて、悔しいですね・・・
 
当時としては「何でもない、価値のないもの」が
正倉院」というタイムカプセルに偶然入ってしまうことにより
後世の人にあがめ奉られる・・・
この事の不思議さ、面白さ、そして人の営みや感情はそんなに変わらないことにも
目を向けてみると、より楽しめるのではないかと思います。
 
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第67回 正倉院展
11月9日(月)まで 会期中無休
9:00-18:00(金・土・日19:00) 入館は30分前まで