美術散華保存会&散華美術館 スタッフブログ

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【展覧会探訪】京都国立近代美術館「東山魁夷展」【散華情報もアリ】

三連休前の金曜夜は夜間開館延長で京都国立近代美術館へ行って来ました。

10/8まで開催中の「東山魁夷展」です。

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夜間開館延長は特別展では結構やっています。土日より空いていますし、展覧会に行きなれた方が多いので楽だと思います😊

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金曜の疲れた体、そして最近西洋美術を見る機会が続いてたこともあり、ジワジワと染みるような展示でした。

涙に近い目薬、でもちゃんと清涼感もあるという…そんな感じ。(わかりますか?😅)
いつまででも見ていられたなあ。

感覚的に見たことある作品も多いので、予備知識なしで楽しめました。
「道」、「残照」、白馬のシリーズどれも好きでした。


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今回の目玉は、唐招提寺御影堂の襖絵。

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7、8年前だったか、鑑真和上の御遠忌に御影堂で初めて拝見したのを思い出します。

しかし、その時はあんまり感動しなかったのですが😅、改めてじっくりと見てみると「襖絵の枠を超えた、なんとスケールの大きな作品か!」と。

東山魁夷自身、制作するにあたり、鑑真和上などについて中国まで行き、何年も研究していたといいます。
彼の表現がそこに極まっているようでした。


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あと一人で興奮してたのが、特別出品の散華。

もちろん東山魁夷が手掛けたものです。
画冊に全種類が貼り付けられていました。

そのキャプションが興味深かったので書き写してきました!

=全文がこちらです↓=======

昭和52年唐招提寺森本孝順管長が発案して、仏教の原点に触れさせるため、奈良南都六大寺の若い僧たちをインド仏教の旅に派遣した。

釈迦が12月8日の早朝、暁の明星を見て突然悟りを開いたといわれるブッダガヤでは、同日早朝、正倉院の竹製華籠を模した器に散華を入れ、果物、花と共に供えたという。

散華は、この時期ちょうど唐招提寺御影堂障壁画に従事していた東山が、森本長老の考えに賛同して揮毫したもので、明星礼拝に供えられた後日本に戻り、本画冊に仕立てられた。

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書がしたためられた散華は【木・日・月・星・光・春・夏・秋・冬・風・雨・雪・雲・花】の14種ありました。

文中の唐招提寺・森本長老が奈良の美術散華の仕掛け人とも言って良い人物。
散華以外にもいろいろと動く人だったことを知りました💡


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現地の唐招提寺御影堂はまだまだ修理中の期間が続きます。
襖絵はこちらでゆっくり見るのをオススメします😌


京都国立近代美術館東山魁夷展」●
会期10/8(日)まで
(その後、国立新美術館に巡回)
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2018/427.html