美術散華保存会&散華美術館 スタッフブログ

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【明日まで!】奈良国立博物館「源信展」に行って地獄と極楽を堪能

もう会期も明日までとなった、奈良国立博物館の「源信展」。
強烈な地獄のイメージと、その対比でもの凄く涼しげに有り難く見える極楽をたっぷりと見られます!

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普通の人は源信って誰だ?となるし、
知ってる人でも教科書に出てきたね、という感じでしょうか?
『往生要集』まで出たら凄いです。

源信が『往生要集』に記した地獄の様子とそこから救われるさまが
浄土信仰の高まりの中で広がったというのが、この展覧会では分かります。

★★★★★★

地獄では六道絵というのが、鮮烈な印象を与えます。
燃え上がる炎、コワモテの地獄の獄卒、酷い目にあっている亡者たち、細部までじっと観る価値あり。
展示の最後でも大きくパネルにしていますから、そこでもじっくり見られるのでご安心を。

あと、東大寺塔頭・知足院さんのお地蔵様が出展されていて、初めて拝見しました。
厨子の扉絵も残っていて、凄く良かったです。
「奈良きたまちにこんな名品が!」と感激しました。

★★★★★★

極楽では、亡くなる人の為の儀式について、それに伴う来迎図の展示が多くありました。
阿弥陀如来観音菩薩諸々、雲に乗ってお迎えに来てくれますが、
豪華な感じで、雲が流れて急いで来た感じが出てると、ありがたさもアップします!

久々に見れた平等院の雲中菩薩も相変わらずの可愛らしさ。
楽器をもった菩薩たちが結構かわいいのが、個人的には来迎図の好きなところです。

チラシにも出ていた阿弥陀来迎図。
古いものなので、仏画にありがちなうっすら具合かと思っていたのですが、
実物はキレイ!思っている以上に!

琵琶をもってる菩薩だけ歯を見せて笑っているように見えて、それだけ異質に感じました。
何か意味があるのかもしれません。(又はないかも、ですが)

★★★★★★

地獄と極楽、真反対の世界ですが、
そのギャップを楽しむも良し、
これを見ていた当時の人々に思いをはせるも良し。
地獄に関しては、現代人にはエンターテインメント要素が強いので、思いっ切り楽しんでも良いかと思います。