【おすすめ展覧会探訪】奈良県立美術館「祈りの美~清水公照・平山郁夫・杉本健吉…」
3月、東大寺修ニ会本行が始まりました。
その期間中、「行っといたらお水取りも楽しめるよ~!」という展覧会が
奈良県立美術館で開催中です。
表題にもあるお三方は言わずもがな、
奈良と縁の深い方々。
作品のボリュームは清水公照氏のものが多かったです。
公照氏のを熱心に見すぎて、時間足りなかったですから(^-^;
以下熱くなりすぎて長~い文章になりました…
時間のある方はお付き合いください…
******************
お三方のうち、保存会的には、
杉本健吉氏とは散華の繋がりで、
愛知の杉本健吉美術館での展覧会以来、
ものすごく親近感を感じています。
清水公照氏は奈良のあちこちで作品を
目にすることはありましたが、
実際の作品をまとまって見るのは初めてで
感激しました。
平山郁夫氏は薬師寺の壁画、散華や
その他展覧会で見てきましたが、
シルクロードの情景は
いつ見てもうっとりする画面でした。
奈良の風景も同じタッチで描かれると
幻想的に見えてきます。
いくらでも長々と書けそうなので、
面白かったポイントをいくつか紹介します。
★清水公照と杉本健吉の「お水取り」を
描いた作品は貴重な資料!見比べると面白い!
清水公照氏は東大寺別当までなった方、
練行衆として見て聞いたものを絵日記に残されています。
練行衆の営みは素朴な墨絵だったり、
本行の生のスピード感を切り取ったり、
見ていて飽きません。
一方の杉本健吉氏は、墨で即興的に
切り取ったスケッチを残しています。
東大寺塔頭に暮らし、
彼にとっては庭同然の東大寺。
どこから描かれているか、
推理しながらの鑑賞も楽しいですよ。
ふたりの作品を見れば、
「お水取り」本行の雰囲気を知ることが出来ます。
歴史的なことは奈良国立博物館へ…
★清水公照氏の言葉選びがステキ
文言の多くはお経や漢詩から作品に書かれています。
柔らかくて力強い、鮮やかな墨絵。
それに負けない書。
その源は、戦時中の中国で楷行草の書の基本を
学んだ経験にあるようです。
あんな字、本当に難しい…さすが「昭和の良寛」
私も書けたら書きたいくらい。
その言葉選びも個人的な作品づくりに
活かせそうな気がします。
★清水公照氏「大仏殿昭和大修理落慶奉告」に
東大寺の撒き散華を発見!
ちょうど大仏殿の昭和大修理時に別当だった公照氏。
落慶奉告の文章を書いた周囲に
法要の撒き散華を散らし貼っていました。
散華自体にも言葉を書いたりして。
とてもカラフルでオシャレな奉告書となっています。
こういうセンスも良いなあ!と感激しました。
★杉本健吉氏の散華の色紙も3点出てます。
ちょっと数が少なくて残念でしたが、
後の散華の図案のもとと思われる
奈良のモチーフも散見されました。
軽いタッチのスケッチから、
墨で陰影を付けた立体的な作品まで、
十分楽しめます。
「えー、もっと散華を見たかった!」
そういう方にはミュージアムショップで売っている
「杉本健吉 東大寺散華」のポストカードセットをオススメします!!
(宣伝(笑)今回よく売れているそうです)
最後に。
三者三様の作品がこの展覧会では見られます。
贅沢な展覧会です。
それはそれぞれの奈良への向き合い方の現れだと感じました。
会期中、無料ゾーンでは散見美術館のある
「奈良きたまち」の紹介ブースがあります。
加えて、週末を中心に「きたまちマーケット」や
連携講座「女性たちの祈りの美のおはなし」が
開催されますので、ぜひお立ち寄り下さい。
そのまま街歩き→二月堂コースもありですよ♪
******************
奈良県立美術館
「祈りの美~清水公照・平山郁夫・杉本健吉…」
開催中~3/15(水) 9:00~17:00(入館16:30まで)
休館日 月曜 ただし、3/6と3/13は開館
http://www.pref.nara.jp/11842.htm
その期間中、「行っといたらお水取りも楽しめるよ~!」という展覧会が
奈良県立美術館で開催中です。
表題にもあるお三方は言わずもがな、
奈良と縁の深い方々。
作品のボリュームは清水公照氏のものが多かったです。
公照氏のを熱心に見すぎて、時間足りなかったですから(^-^;
以下熱くなりすぎて長~い文章になりました…
時間のある方はお付き合いください…
******************
お三方のうち、保存会的には、
杉本健吉氏とは散華の繋がりで、
愛知の杉本健吉美術館での展覧会以来、
ものすごく親近感を感じています。
清水公照氏は奈良のあちこちで作品を
目にすることはありましたが、
実際の作品をまとまって見るのは初めてで
感激しました。
平山郁夫氏は薬師寺の壁画、散華や
その他展覧会で見てきましたが、
シルクロードの情景は
いつ見てもうっとりする画面でした。
奈良の風景も同じタッチで描かれると
幻想的に見えてきます。
いくらでも長々と書けそうなので、
面白かったポイントをいくつか紹介します。
★清水公照と杉本健吉の「お水取り」を
描いた作品は貴重な資料!見比べると面白い!
清水公照氏は東大寺別当までなった方、
練行衆として見て聞いたものを絵日記に残されています。
練行衆の営みは素朴な墨絵だったり、
本行の生のスピード感を切り取ったり、
見ていて飽きません。
一方の杉本健吉氏は、墨で即興的に
切り取ったスケッチを残しています。
東大寺塔頭に暮らし、
彼にとっては庭同然の東大寺。
どこから描かれているか、
推理しながらの鑑賞も楽しいですよ。
ふたりの作品を見れば、
「お水取り」本行の雰囲気を知ることが出来ます。
歴史的なことは奈良国立博物館へ…
★清水公照氏の言葉選びがステキ
文言の多くはお経や漢詩から作品に書かれています。
柔らかくて力強い、鮮やかな墨絵。
それに負けない書。
その源は、戦時中の中国で楷行草の書の基本を
学んだ経験にあるようです。
あんな字、本当に難しい…さすが「昭和の良寛」
私も書けたら書きたいくらい。
その言葉選びも個人的な作品づくりに
活かせそうな気がします。
★清水公照氏「大仏殿昭和大修理落慶奉告」に
東大寺の撒き散華を発見!
ちょうど大仏殿の昭和大修理時に別当だった公照氏。
落慶奉告の文章を書いた周囲に
法要の撒き散華を散らし貼っていました。
散華自体にも言葉を書いたりして。
とてもカラフルでオシャレな奉告書となっています。
こういうセンスも良いなあ!と感激しました。
★杉本健吉氏の散華の色紙も3点出てます。
ちょっと数が少なくて残念でしたが、
後の散華の図案のもとと思われる
奈良のモチーフも散見されました。
軽いタッチのスケッチから、
墨で陰影を付けた立体的な作品まで、
十分楽しめます。
「えー、もっと散華を見たかった!」
そういう方にはミュージアムショップで売っている
「杉本健吉 東大寺散華」のポストカードセットをオススメします!!
(宣伝(笑)今回よく売れているそうです)
最後に。
三者三様の作品がこの展覧会では見られます。
贅沢な展覧会です。
それはそれぞれの奈良への向き合い方の現れだと感じました。
会期中、無料ゾーンでは散見美術館のある
「奈良きたまち」の紹介ブースがあります。
加えて、週末を中心に「きたまちマーケット」や
連携講座「女性たちの祈りの美のおはなし」が
開催されますので、ぜひお立ち寄り下さい。
そのまま街歩き→二月堂コースもありですよ♪
******************
奈良県立美術館
「祈りの美~清水公照・平山郁夫・杉本健吉…」
開催中~3/15(水) 9:00~17:00(入館16:30まで)
休館日 月曜 ただし、3/6と3/13は開館
http://www.pref.nara.jp/11842.htm